2024年3月22日金曜日

わからないままついていく。


というわけで先週はあのあと友人と飲みに行ったんですが、案の定ぼくのほうはビール一杯で十分ゴキゲンになったので(笑)、そっからはコーラとかウーロン茶ばっか飲んでました。でも、とっても楽しかったです。

新川です。どうも。


ぼくと同じく映画好きの友人とのサシ飲みだったので、お互いこないだ観た『ボーはおそれている』の話で盛り上がったりしました(ぼくがトイレに行ってて見逃したシーンのことも教えてもらいました)。

愉快だったのは、あの映画に関しては二人とも、「意味はわかんなかったけど面白かったよね。っていうか、あれは別に意味とかわかんなくてもいいよね」という感想が一致したこと。

こういう感覚を共有できる相手は少ないんです(笑)。「意味がわからない映画」というのは、たいてい「面白くない」と感じてしまうのが一般的ですからね。

あるいはまた「面白かったけど、よく意味がわからなかった」という場合、多くのひとは作り手や識者の解説を求めたり「謎解き」に夢中になったりしますよね。もちろんそれもごく自然なことだし、そうやって作品の理解を深めることは大事です。

ただ、その一方で「わからない面白さ」っていうのも、あると思うんですよね。


たとえば、難解な映画の代表格として知られる『2001年宇宙の旅』(1968)という作品がありますけど、あの映画の「謎」って、ファンの間ではもうすっかり解き明かされてるんです。当然ぼくも知ってます。

でもそれを初めて知ったとき、「なるほど、あれはそういう話だったのか」と腑に落ちたのと同時に、やっぱりちょっとガッカリしちゃったんですよね。

だってぼくは、若いときに観たあの映画の「わからなさ」にこそ、最も興奮し魅了されたわけですから。それがわかっちゃったら、もうおしまいなんです(笑)。なんか魔法が解けたみたいになっちゃったんですよ。これだったら、わからないままのほうが良かったなぁって。

なのでそれ以来、難解で興味深い映画に出会っても、意味を知りたいとはあんまり思わなくなりました。もちろん自分なりに意味を解釈しようとはしますけど、「答え」を知りたいとは思わなくなりましたね。


最近は意味を解釈することも、わりとどうでも良くなって(笑)。純粋に「わからない面白さ」そのものを楽しめるようになってます。これはけっこう無敵ですよ。どんなに荒唐無稽な不条理劇を見せられても、もはや「ついていけない」ということはないですから。

「わからないままついていく」っていうね。このフレーズだけだと、なんかただのアタマ悪いヤツみたいだけど(笑)。


それではまた。