2024年5月10日金曜日

とうとうここまで来たか。


こないだアマプラで『ゴジラ-1.0』(2023)を観ました。いや、面白かったです。

新川です。どうも。


まぁ、山崎貴監督なので人間ドラマのパートは相変わらずトゥーマッチな印象を受けましたけど(笑)、VFXを駆使したアクションシーンはさすがという感じで、ちょっと興奮しました。やっぱり本家アメリカのアカデミー視覚効果賞を獲っただけのことはありますね。そのことも含めて「日本映画もとうとうここまで来たか」という感慨すら覚えました。


ぼくが子ども時代を送った1980年代はハリウッド製の特撮映画、いわゆる「SFX」映画の黄金期でした(ちなみにSFXもVFXも「特撮」を意味する言葉ですが、後者は主にCGを使った画像加工による特撮を指しており、90年代以降はこちらが「特撮」の代名詞として一般化していきました)。

で、そんな「SFX超大作!」みたいな触れ込みのアメリカ映画が大好きな少年だったぼくにとって、当時の日本映画って絶望的なまでにショボかったんですよ(笑)。

だってアメリカでは、カッコいいメカとかリアルなモンスターが出てくる愉快な映画がたくさん作られてヒットもしてるっていうのに、日本映画ときたら相変わらずしみったれた人情話とかメロドラマとか愛犬物語とか(笑)そんなのばっかりで。

「おくれてるなぁ、日本は」と思ってましたよ。同時に「どうして日本ではSFX映画が作られないんだろう?」とも。


まぁ、今思えば「日本のSFX映画」を育む「土壌」がなかったんでしょうね。もちろんそういった映画を作ろうと志すひとたちはたくさんいただろうし、実際に実現した企画も当時いくつかありましたけど、結局のところ「カッコいいメカとかリアルなモンスター」みたいなSFX的要素が、日本映画とマッチしなかったんですよ。アニメは別として、実写でそれをやると違和感がどうしようもなかった。

・・・つまり、これって「日本語のロック」「日本語のラップ」の歴史とおんなじ話なんですよ。みんな最初は違和感がスゴかったんです。「そういうのはアメリカ人がやるもんでしょ?」と。「どだい日本人には無理なんだよ」と。

でも言うまでもなく、いずれの作り手たちも最終的にはその「違和感の壁」を乗り越えたわけです。何十年という試行錯誤を繰り返して。

だから『ゴジラ-1.0』がアメリカのアカデミー賞を獲ったっていうのは、本当に快挙なんですよ。昔の日本映画を知る人間にとっては。


というわけで、改めて山崎監督、おめでとうございます。あとは人間ドラマの描き方をもうちょっとなんとかしていただければ言うことはありません(笑)。


それではまた。